保育士試験とは筆記試験合格科目における合格科目免除期間延長制度とは
通常、保育士試験の筆記試験で科目合格した場合、その合格科目は3年間有効です。
この制度は、一定の条件を満たす勤務経験があれば、3年という有効期間を最長5年まで延長できる制度です。
つまり、合格しても3年以内に残りの科目を受けなければ免除が消えてしまうのを、ある条件下で猶予できる制度ということです。
詳しくは全国保育士養成協議会のサイトからご確認ください。
対象となる施設・事業種別
合格科目免除期間の延長を申請できる勤務先は、「児童に関する福祉・教育に関わる施設・事業」で、具体的には以下のような施設が含まれます。
種類 | 具体例 |
児童福祉施設 | 助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所(認定こども園を含む)、児童養護施設、障害児入所施設 など(児童福祉法第7条第1項に定めるもの) |
認定こども園 | 認定こども園として運営されている施設 |
幼稚園 | 学校教育法で定める幼稚園(幼稚部を含む) |
保育関係の小規模事業 | 小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育、放課後児童健全育成事業、一時預かり事業、認可外保育施設(届出をしているものなど)など |
注意点として、その勤務施設が延長対象になるかどうかは、施設所在地を管轄する都道府県の保育主管課に確認が必要です。
延長申請に必要な勤務期間と総勤務時間数
延長を認めてもらうには、科目合格年ごとに定められた勤務要件(勤務年数・累計勤務時間)があり、それを満たす必要があります。
以下は、例として 令和3年合格科目 と 令和4年合格科目 に対する要件です。
合格年 | 勤務期間(最短) | 総勤務時間数(最少) | 対象期間 | 備考 |
令和3年 | 2年 | 2,880時間 | 令和3年4月~令和7年3月 | この期間外の勤務は含められない |
令和4年 | 1年 | 1,440時間 | 令和4年4月~令和7年3月 | 同様に、期間外勤務は認められない |
複数の施設での勤務を合算して要件を満たすことが可能です。
申請時点で要件を満たしていないが、令和7年3月31日までには満たせる見込みの方についても、延長申請が認められる可能性があります。
ただし、合格年と勤務期間・時間との整合性が重要で、制度上認められない勤務期間や時間帯(合格年以前、または合格対象外期間)を含めて申請すると認定されないことがあります。
利用する際のポイント・注意点
- 勤務施設の種別確認
自分の勤務先が延長対象施設かどうか、都道府県の保育主管課へ確認を。 - 勤務期間・時間の証明を正確に
複数施設勤務の合算可ですが、証明できる勤務記録(タイムシート、労働契約書、勤務表など)が必要。 - 申請タイミングに注意
延長申請は、合格科目の有効期限を過ぎる前、または期限内に行う必要があります。 - 複数年合格している場合の対応
異なる年に合格した科目については、それぞれ該当する様式で延長申請を行う必要があります。 - 認可外施設勤務者の対応
認可外保育施設で勤務している場合、追加書類が求められることがあります。
「筆記試験合格科目における合格科目免除期間延長制度」は、合格後の猶予期間を延ばすことができる制度で、勤務実績を積むことで3年の期限を最長5年まで延長可能となります。制度を活用すれば、仕事との両立を図りながら、無駄なく合格科目を活かすことができます。